「991 Japan」 Autumn/Winter 2021 Collection
佐藤繊維オリジナルブランド「991 Japan」は、’’NEW CLASSIC’’をコンセプトに、
ベーシックなアイテムと最新のテクノロジーを融合させたニットウェアブランドです。
普遍的なデザイン、美しいシルエットの追及、究極のフィット感、そして極上の
肌触りの背景には、ニットづくりへの飽くなき探究心と世界に誇る技術力があります。
991 JapanはAutumn/Winter 2016 Collectionから始まりました。
今シーズンの第1弾はハイゲージニット。続いて翌月、翌々月とニットウェアをs紹介してまいります。
このブランドで使用される「糸」は希少な原料、特別な紡績、染色、撚糸などの方法によって作り上げられており、
「大量生産」には不向きなものばかりです。
少量のロットで991のニットウェアが欲しいと思って下さるお客様の為にこのコレクションをお届けしていきます。
「Super fine gauge knitwear line / RAYS & Sultan」
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Super fine gauge knitwear – ベーシックフォルムへの追及
一見ベーシックなSuper fine gauge knitwear lineのアイテムにも、991のこだわりが随所に詰まっています。
すっきりとした着心地の身頃にはじまり、
腕の自然な動きを可能とする、きれいな曲線を描いた袖。
前後で異なるアームホールのラインを形成する上で
編み目ひとつひとつにこだわりました。
これは肩の可動域を考慮し、
より動きやすさを求めた為です。
デイリーウェアとして強度を求められる箇所にのみ
最低限の縫製を施したこのニットウェアは
つなぎ目がほぼなく、身体に自然とフィットするよう
設計されています。
また、ニットウェアは編み上がり後に
「縮絨」と呼ばれる洗いの加工が施されますが、
ハイゲージニットは縮絨によって編み目がぶれやすく、
製品の見栄えにも悪影響を及ぼしかねない、
非常に繊細かつ難易度の高い工程です。
その為、一般的には縮絨後に工場にて丁寧な
アイロンがけを行い、編み目ひとつひとつがきれいに
整えられた状態の製品がマーケットに流通していますが、
それらを購入後に自宅で洗濯を行うと
編み目がぶれてしまい、結果的にシルエットの崩れを
誘引することとなります。
一方、991 Japanの
Super fine gauge knitwear lineでは
編み上がった各パーツを洗いにかけて
ナチュラルな状態に戻し、「伸び縮み」を
計算に入れた上で再構築を行います。
そうやって製品を組み立てることにより、
手洗いによるシルエットの崩れを軽減させることに成功。
結果、長くご愛用頂けるようなニットを
つくりあげることが出来ました。
Ultimate Materials - 究極のハイゲージを目指して辿り着いたウール
RaYS / レイズ
「スケールを取らなければ自宅で洗うことはできない」そんなウールの定説を覆した糸。
佐藤繊維が開発した「RaYS」はウールの潜在的機能を残した「洗えるウール」です。
ウールはさまざまな繊維の中でも最高の機能を持つ、
究極の天然繊維であると言われています。
繊維1本1本の表面はうろこ状の
スケールというもので覆われているのですが、
それらは優れた撥水性を持ち、
また湿度と温度を調節する役目も持っています。
例えば寒冷地ではスケールを閉じることで
体温を外に逃さず、
一方で高温多湿時にはスケールを開くことで
湿度と熱を放出し体温を下げることが出来ます。
ウールの繊維は呼吸をするように、
自ら調整する機能を持ち合わせているのです。
しかしそんなスケールにも短所はあり、
水に濡れると開き、それぞれが擦れ、
絡み合ってしまいます。
それがフェルト化と呼ばれるものです。
水によってフェルト化してしまう為に
自宅で洗濯することは難しく、
ドライクリーニングが通例とされてきました。
現在マーケットに存在する
一般的な洗えるウールは、このスケール自体を
塩素で溶かしてしまうというもの。
スケールがなくなれば絡まるものもなくなり、
フェルト化を防ぐことができるという理屈です。
この工程はサスティナブルの対局である上に、
スケールを溶かしかしてしまうということは
ウール本来の機能を失うことにも直結します。
「ウールのポテンシャルをそのまま活かした洗えるウールは作れないものか」
それは佐藤繊維が開発したWAPRIL(ウェイプリル)加工により実現することとなりました。
この加工方法は、有害物質を使用せずにウォッシャブルを実現。またスケールを残すことでウールの機能を維持するという画期的なものです。
一般的に高級ウールと言われるエクストラファインメリノウールを超える柔らかさと繊細さを持つ スーパーファインメリノウールに、
このWAPRIL加工を施した糸がRaYS(レイズ)です。
素肌に着用してもチクチクせず、ウールの機能を十二分に生かしながらも洗濯が可能となったこのRaYSは、オールシーズンを快適に過ごすことの出来る究極の素材です。
SULTAN / サルタン
サルタンとは、最高のハイゲージニット用ウールを作りたいという強い願いから生まれた糸です。
高級感のあるハイゲージセーター用の糸を作る為には、原料の繊維自体が細くなくてはなりません。
なおかつウール本来の機能を持ち、肌触りが良いことが理想と言えます。
そんな夢のようなウール原料を求めて世界中を探し回り、ようやく見つけ出したのは
オーストラリア・ビクトリア地区:アヴィントンファームで飼育されていた羊たちでした。
この農場のオーナーは羊の飼育にあたり、農場の自然環境を整えることからスタートしたとのことでした。
澄んだ青い空、きれいな緑の生い茂る草原。羊たちにとってストレスフリーな環境を維持するべく努力を重ねたようです。
良質な羊毛を作る交配技術に自信を持ち、高いモチベーションで仕事をするアヴィントンファームの人々とのふれあいから、彼らの姿勢、
そして質の高い羊毛に惚れ込み新たな糸づくりが始まることになりました。
天然繊維は、繊維自体が細ければ細いほど柔らかく、肌ざわりもそれに比例します。
一般的に最高級天然素材と知られているカシミアの場合、繊維の細さは、それを示す単位=ミクロンでいうところの15〜16ミクロンとされています。(繊維が細くなるほどミクロンの値は小さくなります。)
元来、高級ウールとされてきたエクストラファインメリノウールが19.5ミクロンであることを考えると、カシミアが数値の上でも別格であることがわかります。
しかしアヴィントンファームは、徹底した環境づくりと交配を続けた結果、とうとうカシミアの細さを超える14.5ミクロンに到達することとなりました。
工業的な糸作りの原料となる羊毛は、通常複数の羊農家から集められた原毛を混ぜたものが一般的ではありますが、佐藤繊維ではアヴィントンファームのこの偉業に敬意を表して、同農場で刈り取られた羊毛だけを使って 糸を作り上げ、その糸をSultan(サルタン)と名付けました。
サルタンは極上の柔らかさをもち、主にハイゲージセーターやニットジャケットにその優れた特徴を活かすことができます。
これにより従来のウールのイメージを超える、エレガントで上質感のあるニットアイテムを世に送り出すことが可能となりました。
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